離婚時の年金分割Q&A
よくある質問
Q合意分割制度は、平成19年4月1日以後に離婚した場合のほか、どのような場合を対象としているのでしょうか。事実婚関係はどのように取り扱われるのでしょうか?
A 平成19年4月1日以後に離婚した場合のほか、平成19年4月1日以後に婚姻が取り消された場合※が対象となります。また、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情(以下「事実婚関係」という。)にある方については、平成19年4月1日以後に、事実婚関係が解消したと認められる場合であって、事実婚関係にあった間に、当事者の一方が他方の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者と認定されていた期間があるときに対象となります。
※ 民法第732条の規定(重婚の禁止)に違反する婚姻が取り消された場合は、その婚姻の取消しに係る期間(当事者の一方が当事者の他方の被扶養配偶者として第3号被保険者であった期間を除く。)については、分割の対象にはなりません。
Q 分割の対象となる期間はいつからいつまでですか?
A 離婚又は婚姻の取消しの場合の対象期間は、その「離婚又は婚姻の取消しに係る婚姻期間」です。ただし、その婚姻期間が次の①又は②の期間と重複する場合、対象期間は「婚姻期間から①及び②の期間を除いた期間」となります。
① 当事者以外の者が、当事者の一方の被扶養配偶者として第3号被保険者であった期間
② 当事者の一方が、当事者以外の者の被扶養配偶者として第3号被保険者であった期間
また、事実婚関係が解消した場合の対象期間は、当事者の一方が他方の被扶養配偶者として第3号被保険者であった期間です。なお、「事実婚関係にある方同士が婚姻の届出を行い婚姻が成立した後、離婚した場合」の対象期間は、次の期間を通算した期間となります。
ア 離婚に係る婚姻期間
イ 婚姻する前の事実婚関係にあった間に、当事者の一方が当事者の他方の被扶養配偶者として第3号被保険者であった期間
Q 当事者間で分割される標準報酬とは何ですか?
A 標準報酬とは、厚生年金保険料の算定の基礎となった標準報酬月額と標準賞与額のことを指します。厚生年金の年金額は、この標準報酬を基礎として計算されます。また、分割の対象となる期間の厚生年金の標準報酬を、当事者の生年月日に応じた再評価率を用いて現在価値に換算した額の合計額を、対象期間標準報酬総額といいます。離婚時の厚生年金の分割制度は、この対象期間標準報酬総額が多い方から少ない方に対して、当該額の一部を分割する制度です。
Q 昭和61年4月1日に結婚し、平成20年4月1日に離婚した場合の対象期間はどの期間でしょうか?平成19年4月1日前の婚姻期間は、含まれるのでしょうか?
A 離婚した場合の対象期間は、原則として、その「離婚に係る婚姻期間」です。平成19年4月1日前に結婚して、同日以後に離婚した場合、同日前の婚姻期間も対象期間に含まれます。上記のケースの場合、対象期間は「昭和61年4月1日から平成20年4月1日まで」です。
Q 当事者間で分割される標準報酬とは何ですか?
A 標準報酬とは、厚生年金保険料の算定の基礎となった標準報酬月額と標準賞与額のことを指します。厚生年金の年金額は、この標準報酬を基礎として計算されます。また、分割の対象となる期間の厚生年金の標準報酬を、当事者の生年月日に応じた再評価率を用いて現在価値に換算した額の合計額を、対象期間標準報酬総額といいます。離婚時の厚生年金の分割制度は、この対象期間標準報酬総額が多い方から少ない方に対して、当該額の一部を分割する制度です。
Q 按分割合は、どのようにして定められるのでしょうか?
A 按分割合は、当事者の双方の対象期間標準報酬総額の合計額に対する、分割後における分割を受ける側の持分を表したものです。按分割合は、以下の考え方により、その範囲が決められています。
① 分割によって、分割を受ける側である対象期間標準報酬総額の少ない人が、元々の持分を減らすことがないようにする。
② 分割によって、分割される側の対象期間標準報酬総額が、分割を受ける側の対象期間標準報酬総額を下回らないようにする。
また、按分割合の定め方については、当事者間の合意による場合と、裁判手続による場合の2つがあります。
ア.当事者間の合意により按分割合を定める場合について
当事者間の合意により按分割合を定める場合は、次のいずれかの方法により合意した内容を明らかにすることが必要です。
① 年金分割請求時に、当事者双方又はその代理人の方がともに社会保険事務所に来所し、年金分割請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨を記載し、かつ、当事者自らが署名した書類を添付
② 公証人が作成した公正証書又は公証人の認証を受けた私署証書(作成名義人の署名又は記名押印がある私文書のことです。)を添付
イ.裁判手続により按分割合を定める場合について
按分割合について、当事者間で話合いがまとまらない場合には、当事者の一方が家庭裁判所に対して申立てをし、裁判手続によって按分割合を定めることができます。
Q 情報提供の請求は、当事者の二人が共同で行わなければならないのでしょうか?
A 情報提供の請求は、当事者の二人が共同で請求することもできますし、お一人が請求することもできます。なお、情報提供については、以下のとおり「年金分割のための情報通知書」が交付されます。
① 当事者の二人が共同で請求した場合は、当事者それぞれに対して「年金分割のための情報通知書」を交付されます。
② 当事者のうち、お一人が請求した場合は、
ア 離婚等をしているときは、請求者と元配偶者のそれぞれに対して交付されます。
イ 離婚等をしていないときは、請求者のみに交付されます。
Q 3号分割改定請求は平成20年4月1日から請求できますか?
A 分割改定の対象となるのは平成20年4月1日以後の期間ですが、離婚等の前月までの期間が分割改定の対象となるため、請求は平成20年5月1日以後に離婚等してから行うこととなります。
Q 標準報酬を分割される側の当事者一方が行方不明であること又は離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあることを理由として、3号分割改定を請求する場合、請求期限はありますか?
A 3号分割改定請求の請求期限は、原則として離婚日等の翌日から起算して2年ですが、標準報酬を分割される側の当事者一方が行方不明であることを理由とした3号分割改定請求の場合、行方不明となって3年経過していることが条件であり、また、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあることを理由とした3号分割改定請求の場合、当該事情にあると認められることが条件であるため、請求期限はありません。
Q 当事者双方に3号分割の対象となる期間がある場合、当事者一方が3号分割改定を請求すると当事者他方からも3号分割改定請求があったとみなされますか?
A 当事者一方から3号分割改定請求があった場合でも、当事者他方から3号分割改定請求があったとはみなされず、当事者一方からの請求に基づく3号分割改定のみが行われます。
ただし、当事者一方から合意分割改定請求があった場合であって、当該合意分割改定請求の対象期間中に当事者他方に係る3号分割の対象となる期間が含まれている場合は、当該期間に係る3号分割改定請求があったものとみなされ、分割改定されます。
Q 同じ相手と婚姻・離婚を繰り返した場合、全ての婚姻期間を通算して3号分割改定を請求できますか?
A 3号分割改定請求は、婚姻期間ごとに請求することが必要です。したがって、同じ相手と複数の婚姻期間がある場合には、原則として、離婚日から2年経過した婚姻期間については請求できません。
Q 標準報酬を分割される側の当事者一方が死亡した場合、3号分割改定を請求できますか?
A 標準報酬を分割される側の当事者一方の死亡後1月以内であれば請求可能です。
Q 合意分割改定請求の対象期間中に、3号分割改定請求の対象となる期間があるのですが、情報提供請求をした場合、按分割合の範囲はどのように表示されるのですか?
A 合意分割改定請求の対象期間中に、3号分割改定請求の対象となる期間を有する当事者から情報提供請求があった場合、3号分割改定を行ったものと仮定し、当該期間の厚生年金の標準報酬を2分の1ずつに分割改定した後の標準報酬を基礎として、按分割合の範囲等を計算し表示することになります。
Q 合意分割改定請求と3号分割改定請求を同時に行いたいのですが、請求書は2枚必要なのですか。また、分割改定の結果はどのように通知されるのですか?
A 合意分割改定請求用の標準報酬改定請求書のみの提出で請求可能です。なお、3号分割改定の結果は「標準報酬改定通知書(第3号被保険者期間に係る年金分割のお知らせ)」により通知されますが、3号分割改定された後の標準報酬を基礎として合意分割改定されることとなり、最終的な年金分割の結果は「標準報酬改定通知書(離婚時の年金分割のお知らせ)」により通知されます。

